SVG のツール
SVG の内部の基礎を説明しましたので、ここでは SVG ファイルで作業を行うためのツールをいくつか見ていきましょう。
ブラウザーの対応
Internet Explorer 9 により、 IE 9、Mozilla Firefox、Safari、Google Chrome、 Opera といったすべての主要なブラウザーが SVG に対応しています。 WebKit ベースのブラウザーをもつモバイル端末も SVG に対応しています。 古い端末やより小さな端末では、SVG Tiny に対応しているかもしれません。
Inkscape
URL: www.inkscape.org
グラフィック形式について最も重要なツールの一つが、適切な描画プログラムです。 Inkscape は最先端のベクタ描画機能を提供し、またオープンソースです。
さらに、このソフトは SVG をネイティブフォーマットとしています。 Inkscape 固有のデータを保存するときは、カスタムネームスペースによる要素や属性で SVG ファイルを拡張しますが、通常の SVG としてエクスポートすることも選択できます。
Adobe Illustrator
URL: www.adobe.com/products/illustrator/ (日本語サイト)
Adobe は Macromedia を買収するまで、もっとも有名な SVG の推進者でした。このときから、 Illustrator は SVG を良好に対応し始めました。しかし、出力された SVG にはしばしば癖がみられ、一般に適用するための後処理が必要になります。
Apache Batik
URL: xmlgraphics.apache.org/batik/
Batik は Apache Software Foundation 傘下の、オープンソースツールのセットです。このツールキットは Java で記述され、ほぼ完全な SVG 1.1 の対応を提供します。また、本来は SVG 1.2 で計画されている機能のいくつかにも対応しています。
Batik はビューアー (Squiggle) や PNG 出力のラスタライザーの他に、SVG ファイルを整形するためのプリティプリンターや TrueType フォントから SVG フォントへのコンバーターも提供します。
Batik は Apache FOP と連携して、SVG を PDF に変換することもできます。
他のレンダラー
SVG からラスター画像を作成するためのプロジェクトがいくつかあります。ImageMagick は、もっとも有名なコマンドライン画像処理ツールのひとつです。Gnome ライブラリの rsvg は、 Wikipedia が SVG をラスター化するために用いています。また、 SlimerJS や PhantomJS などのヘッドレスブラウザーを使用すると、ブラウザー上での SVG の表示に近い画像が得られるため、人気があります。
Raphael JS
URL: raphaeljs.com
これは、ブラウザー実装の抽象レイヤーとして働く JavaScript ライブラリです。特に古いバージョンの Internet Explorer は Vector Markup Language (VML) の生成により対応されています。なお VML は 2 つある SVG の前身のひとつであり、 IE 5.5 から使用できます。
Snap.svg
URL: snapsvg.io
Raphael JS の作者が開発した、より新しい JavaScript の抽象化レイヤーです。 Snap.svg は最近のブラウザー向けに設計されているため、マスキング、クリッピング、パターン、フルグラデーション、グループなどの最新の SVG 機能をサポートしています。 Raphael のような古いブラウザーには対応していません。
Google Docs
URL: www.google.com/google-d-s/drawings/
Google Docs の図形描画機能は、SVG でエクスポートすることができます。